毎月勤労統計調査2026年8月分確報、名目3.9%増・実質1.6%増で8か月連続プラス
原文のタイトル: 毎月勤労統計調査ー2026(令和8)年8月分結果確報
原文を開くAIによる要約
- 働く人1人あたりの現金給与総額は311,563円で、前年同月より3.9%増えた(従業員5人以上の事業所)
- 物価の上昇分を差し引いた実質賃金は1.6%増。2026年1月から8か月続けて前年同月を上回った
- パートタイム労働者の1時間あたりの給与は1,478円で、前年同月より4.7%増えた
- 速報と比べると、現金給与総額の伸びは3.8%から3.9%、実質賃金は1.5%から1.6%に上方修正された
- 産業別では金融業,保険業が7.3%増と高く、生活関連サービス等は1.7%減だった
重要な日付
- 2026年10月23日(金)毎月勤労統計調査2026年8月分結果確報の公表日
解説
背景
毎月勤労統計調査は、事業所に毎月の賃金・労働時間・雇用の状況をたずね、その動きをまとめる統計です。担当は厚生労働省の政策統括官付参事官付雇用・賃金福祉統計室です。今回の資料は2026年8月分の「確報」です。資料の付表には先に出た「速報」の値と確報の値が並んでおり、速報から変わった値には「r」(revised、改訂の意味)の印が付いています。8月分の調査対象は33,044事業所で、回答したのは25,388事業所、回収率は76.8%でした。このほか、前年と今年の両方で調査対象になった事業所だけを集計した「共通事業所」の数値も、「公的統計の整備に関する基本的な計画」(2018年3月6日閣議決定)にもとづいて参考として載っています。なお、速報がいつ公表されたかは資料には記載がありません。
何が決まった・変わるのか
従業員5人以上の事業所では、1人あたりの現金給与総額(基本給や残業代、賞与などをすべて合わせた額)が311,563円で、前年同月比3.9%増でした。従業員30人以上の事業所では346,195円で4.1%増です。内訳を見ると、毎月決まって払われる給与が298,317円(3.9%増)、そのうち残業代などを除いた所定内給与が277,870円(3.8%増)、賞与などの特別に支払われた給与が13,246円(1.8%増)でした。働き方別では、一般労働者(パート以外)が400,899円(4.0%増)、パートタイム労働者が116,155円(4.4%増)です。パートの1時間あたりの給与は1,478円(4.7%増)でした。物価の影響を除いた実質賃金は、持家の帰属家賃を除いた消費者物価指数で計算すると1.6%増(物価は2.2%上昇)、消費者物価指数(総合)で計算すると2.0%増(物価は2.0%上昇)でした。7月(名目4.3%増、実質2.0%増)と比べると伸びは小さくなっています。季節の影響をならした現金給与総額は前月比1.9%減でした。労働時間は月129.4時間(0.2%増)、そのうち残業などの所定外労働時間は9.2時間(2.2%増)です。働く人の数は5,220万5千人(0.9%増)で、パートの比率は31.41%(前年同月より0.20ポイント上昇)でした。
誰に関係するか
会社などで雇われて働く人、賃金を決める立場の事業主、賃金の動きを見て判断する人に関係します。気をつけたい点がいくつかあります。まず、金額は所得税や社会保険料などを差し引く前のもので、手取りではありません。退職金も含みません。次に、数値は従業員5人以上の事業所の平均です。自分の給与が同じように増えたことを示すものではありません。また、2026年1月に調査する事業所の一部を入れ替えた影響で、現金給与総額に-1,582円(-0.5%)の段差が出ていると資料に書かれています。
運営者コメント
懸念される点・課題
伸びは7月の4.3%から3.9%に小さくなりました。季節の影響をならした現金給与総額は前月比1.9%減です。産業による差も目立ちます。生活関連サービス等は1.7%減、飲食サービス業等は2.0%増、その他のサービス業は1.8%増にとどまりました。同じ事業所どうしで比べた共通事業所の現金給与総額は2.8%増で、通常の公表値(3.9%増)より低くなっています。全体の平均だけでは見えない部分があることに注意が必要です。
注目点・留意点
実質賃金は、持家の帰属家賃を除く物価指数で計算すると1.6%増、総合の物価指数で計算すると2.0%増です。どちらの数字かを確かめて比べることが大切です。共通事業所の数値は対象の事業所数が少ないことにも注意が必要だと、資料に書かれています。この先、名目賃金の伸びが物価の伸びを上回り続けるかが注目点です。なお、今後の見通しについては資料には記載がありません。
よくある質問
速報と確報では何が違うのですか。
資料では、速報から確報で変わった値に「r」の印が付いています。8月分では、現金給与総額の伸びが速報の3.8%から3.9%に、実質賃金(持家の帰属家賃を除く物価指数で計算)が1.5%から1.6%に、賞与などの特別に支払われた給与が0.0%から1.8%に直されました。なぜ値が変わったのかは、資料には記載がありません。
実質賃金が2種類あるのはなぜですか。
資料によると、給与で実際にどれだけ買えるかを示すために、実際にお金のやり取りがある商品やサービスだけを対象にした「持家の帰属家賃を除く総合」の物価指数を使っています。また、外国と比べるために「総合」の物価指数でも計算しています。持家の帰属家賃とは、自分の持ち家を借家とみなした場合に払うはずの家賃のことです。8月分は、前者で1.6%増、後者で2.0%増でした。
ここに出ている給与額は手取りですか。
手取りではありません。所得税、社会保険料、組合費などを差し引く前の金額です。退職を理由に支払われる退職金は含まれていません。
「共通事業所」の数値とは何ですか。
前年同月と今月の両方で集計の対象になった事業所だけで計算した参考値です。同じ事業所の平均賃金がどう変わったかを見るためのものです。8月分の現金給与総額は2.8%増、所定内給与は3.1%増でした。通常の公表値より対象の事業所数が少ないことに注意が必要だと、資料に書かれています。
次の結果はいつ公表されますか。
次回の公表日は資料には記載がありません。厚生労働省の毎月勤労統計調査のページや、政府統計の総合窓口(e-Stat)で確認してください。
このページの要約・解説・よくある質問は、公表資料(原文)をもとに作成したものです(作成日時: 2026/10/23 20:06)。内容の正確さには注意を払っていますが、制度の詳細や最新の情報は必ず原文で確認してください。
評価できる点
名目賃金は3.9%増え、物価の上昇(2.2%)を上回りました。実質賃金は1.6%増で、2026年1月から8か月続けてプラスです。パートの時給も4.7%増と、一般労働者を上回る伸びでした。確報では、速報より高い数値に直されています。資料は、2種類の物価指数で計算した実質賃金、共通事業所の参考値、調査対象の入れ替えによる段差の大きさまで公開しています。数値の性質を確かめやすい点は評価できます。