二酸化炭素の貯留事業に関する法律の審査基準改正案、貯留・導管輸送にも拡大、10月31日締切
原文のタイトル: 二酸化炭素の貯留事業に関する法律に基づく経済産業大臣の処分に係る審査基準等の一部を改正する訓令案に対する意見公募
原文を開くAIによる要約
- CO2を地下に貯める事業を定めた「CCS事業法」の完全施行を受け、経済産業大臣の許可などの審査基準を改正する案が示されました
- これまで「試掘」が中心だった基準の対象を、CO2の貯留事業そのものや導管(パイプライン)輸送事業にまで広げます
- CO2を長く安定して貯められるか、漏えい対策や監視(モニタリング)計画が適切かを判断する具体例が加わります
- 事業を終えるときの閉鎖措置や、貯留・輸送料金などの取引条件に関する命令についても基準を新しく設けます
- 意見募集は2026年10月31日まで。e-Gov、郵送、電子メールで提出でき、電話では受け付けていません
重要な日付
- 2026年5月22日(金)CCS事業法の未施行部分(貯留事業・導管輸送事業)が施行され、法律が完全施行
- 2026年10月2日(金)改正案の公示・意見の受付開始
- 2026年10月31日(土)意見募集の締切(e-Govは23時59分まで、郵送などは必着)
解説
背景
「二酸化炭素の貯留事業に関する法律」(CCS事業法)は、二酸化炭素(CO2)を地下の地層に貯める事業や、CO2を導管(パイプライン)で運ぶ事業のルールを定めた法律で、第213回国会で成立しました。経済産業大臣がこの法律に基づいて許可を出したり、命令や許可の取消しをしたりするときの判断の目安として、「審査基準等」という内部の基準(訓令)が定められています。資料によると、法律のうちまだ施行されていなかった貯留事業と導管輸送事業に関する部分が2026年5月22日に施行され、法律全体が施行された状態になりました。これまでの基準は、地層がCO2の貯留に向いているかを調べる「試掘」などが中心でした。今回、完全施行に伴ってこの基準を改正するとして、行政手続法に基づき広く国民から意見を募集しています。担当は資源エネルギー庁資源・燃料部燃料環境適合利用推進課と、大臣官房産業保安・安全グループ鉱山・火薬類監理官付CCS保安室です。
何が決まった・変わるのか
改正案ではまず、これまで「試掘の許可」とされていた基準を「貯留事業等の許可」に改め、貯留事業の許可や許可区域の分割・合併、事業の譲渡や相続などにも対応させます。新たに、CO2を安定して貯められるかを確かめる基準が加わります。具体例として、貯留に適した地層の構造があること、地質モデルやシミュレーション(計算による予測)ができていること、漏えいなどのリスクを起こりやすさと影響の大きさから分析していることなどが挙げられています。貯留事業の実施計画を認める基準も新設され、保安の措置、漏えい対策、監視計画、海域で貯める場合のCO2の成分・濃度、注入終了後に必要な費用の見積もりと資金の確保などが審査の目安になります。事業を終えるときについても、坑井(井戸)の閉塞や設備の撤去、「機構」への拠出金の納付、記録の引き継ぎなどの基準を示します。さらに、貯留・輸送の約款(取引条件)で料金が明らかに著しく高い場合などに変更を命じる基準も設けます。一方で、多くの命令については「具体的な基準を作ることが困難」として、基準を作らないとしています。
誰に関係するか
直接関係するのは、CO2の貯留事業や試掘、導管輸送事業を行う事業者と、これから参入を考えている事業者です。許可や計画の認可を申請するときに、どのような資料や説明が求められるかの目安になります。また基準には、農業・漁業などほかの産業との調整や、地域住民などへの情報提供の状況の引き継ぎも含まれるため、貯留区域の周辺で暮らす人や農業・漁業の関係者にも関わりがあります。改正後の基準がいつから適用されるかは、資料には記載がありません。
運営者コメント
懸念される点・課題
一方で、多くの命令について「具体的な基準を作ることが困難」として基準を設けていないほか、「概ね合致」「明らかに著しく高水準」といった判断に幅のある表現も見られます。行政の判断に任される範囲が広く、どのような場合に命令が出るのかが外からは分かりにくい面が残ります。また、案の文中には「抗井」と「坑井」、「延長」と「延期」が混在するなど表記の揺れもあり、最終版での整理が望まれます。
注目点・留意点
改正後の基準がいつから適用されるのか、また法律の完全施行(2026年5月22日)から基準の改正までの間に出された申請がどう扱われるのかは、資料には記載がありません。CO2の長期的な安定性や、注入が終わった後の監視・管理費用の確保は、長い期間の管理が前提となるテーマです。寄せられた意見が最終的な基準にどう反映されるか、結果の公表にも注目したいところです。
よくある質問
CCS事業法とはどのような法律ですか。
資料によると、CO2の貯留事業や導管輸送事業などについて定めた「二酸化炭素の貯留事業に関する法律」のことで、第213回国会で成立しました。貯留事業と導管輸送事業に関する部分が2026年5月22日に施行され、法律全体が施行されています。法律全体の詳しい内容は、今回の資料には記載がありません。
一般の人でも意見を出せますか。どうやって出せばよいですか。
広く国民から意見を募集しています。締切は2026年10月31日で、e-Govの意見提出フォーム、郵送(〒100-8901 東京都千代田区霞が関1-3-1 経済産業省資源エネルギー庁資源・燃料部燃料環境適合利用推進課 パブリックコメント担当あて、必着)、電子メール(bzl-CCS-business-act@meti.go.jp、意見提出用紙を添付し、件名は指定のもの)のいずれかで、日本語で提出します。電話では受け付けていません。
提出した意見に回答はもらえますか。名前は公開されますか。
意見は最終的な決定の参考にされますが、個別の回答はしないとされています。意見は、氏名(法人・団体の場合は名称)、住所、電話番号、メールアドレスを除き、すべて公開される可能性があります。個人を特定できる記述などは、公表の際に伏せられます。
改正後の基準はいつから適用されますか。
資料には記載がありません。
自分の住む地域でCO2の貯留が行われる予定があるかは分かりますか。
今回の資料は審査基準の改正案で、個別の事業や場所は記載されていません。なお基準案では、農業・漁業に大きな影響を与えないことなどが許可を判断する目安の一つとして示されています。
このページの要約・解説・よくある質問は、公表資料(原文)をもとに作成したものです(作成日時: 2026/10/04 20:08)。内容の正確さには注意を払っていますが、制度の詳細や最新の情報は必ず原文で確認してください。
評価できる点
法律の完全施行を受けて、試掘だけでなく貯留事業や導管輸送事業、事業を終えるときの閉鎖措置まで、許可や命令を判断する目安がひととおり示される点は評価できます。審査の考え方が前もって公開されれば、申請する事業者は準備がしやすくなります。周辺住民やほかの産業の関係者にとっても、国がどのような観点で安全性や他産業との調整を確認するのかが見えやすくなります。