建築着工統計調査(令和8年9月分)新設住宅着工2.7%減、6か月ぶりの減少
原文のタイトル: 建築着工統計調査報告(令和8年9月分)
原文を開くAIによる要約
- 9月の新設住宅着工戸数は61,826戸で、前年同月比2.7%減と6か月ぶりの減少となった。
- 季節調整済年率換算値は714千戸で、前月比5.2%減。3か月連続の減少となった。
- 持家3.4%減、貸家1.6%減、分譲住宅4.5%減。分譲のうちマンションは21.2%減、一戸建住宅は6.1%増。
- 全建築物の着工床面積は721万㎡で15.6%減。民間非居住用は32.4%減で、倉庫は61.1%減、事務所は35.2%減。
- 推計した住宅投資予定額は13,062億円で1.6%増。10月分は11月30日に公表予定。
重要な日付
- 2026年10月30日(金)建築着工統計調査報告(令和8年9月分)公表
- 2026年11月30日(月)令和8年10月分の公表予定日
解説
背景
建築着工統計調査は、全国の建築物の着工の動きを明らかにし、建築と住宅に関する基礎資料を得るための国の統計です。担当は国土交通省総合政策局情報政策課建設経済統計調査室です。建築主が建築基準法第15条第1項にもとづいて都道府県知事に出す建築工事届(延べ床面積10㎡を超えるもの)を集計しています。調査対象月の翌月末には結果がまとまるため速報性が高く、景気の先行指標(景気の動きより先に変化が表れやすい指標)とされています。今回は令和8年9月分で、2026年10月30日に政府統計の総合窓口e-Statで公表されました。新設住宅着工戸数は令和7年度に711,171戸(前年度比12.9%減)と落ち込み、令和8年3月も前年同月比29.3%減でした。その後、4月から8月までは前年同月を上回っていました。こうした増減の理由は資料には記載がありません。
何が決まった・変わるのか
住宅では、9月の新設住宅着工戸数が61,826戸(前年同月比2.7%減)、着工床面積が4,729千㎡(同3.2%減)で、どちらも6か月ぶりの減少でした。季節による増減をならして1年分に換算した値(季節調整済年率換算値)は714千戸で、前月比5.2%減と3か月続けて減っています。種類別では、持家(自分で住むために建てる家)が17,648戸で3.4%減、貸家が28,046戸で1.6%減、分譲住宅が15,688戸で4.5%減でした。貸家は民間資金によるものが1.4%増えた一方、公的資金によるものが29.1%減っています。分譲住宅のうち、マンションは4,825戸で21.2%減、一戸建住宅は10,687戸で6.1%増でした。地域別に見ると、近畿圏が8.1%減で減り幅が最も大きく、首都圏は0.3%減でした。建築物全体の着工床面積は721万㎡(15.6%減)です。民間の非居住用(住宅以外)は207万㎡(32.4%減)で、工場は37万㎡(10.0%増)と増えたものの、事務所26万㎡(35.2%減)、店舗24万㎡(15.5%減)、倉庫43万㎡(61.1%減)が減りました。
誰に関係するか
住宅の購入や建築を考えている人、賃貸住宅を経営している人、住宅・建設・不動産・建設資材の事業者、景気の動きを分析する人に関係します。資料によると、建築工事は季節によって増減するため、増減を見るときは原数値の前月比ではなく、前年同月比か季節調整値を使う必要があります。工事費予定額は届出の時点での予定額で、完成したときの金額とは違うことが多いとされています。また、10㎡以下の建築物は含まれません。公表した結果が修正されることもあり、修正後の資料はe-Statに掲載されます。
運営者コメント
懸念される点・課題
分譲マンションが21.2%減、近畿圏のマンションが32.5%減、民間の倉庫が61.1%減、情報通信業用が912.5%増など、分野によって振れ幅が大きく、数字だけでは実態をつかみにくい面があります。資料は増減の内訳を示していますが、なぜ増えたか・減ったかという要因の説明は記載がありません。また、季節調整済年率換算値は3か月続けて減っており、4月以降続いていた前年同月比の増加がこの先どうなるかは、今回の資料だけでは判断できません。
注目点・留意点
前年同月比は、比べる相手となる前年の数字に左右されます。資料も、前年に大規模な工事が着工されていると伸び率が小さくなることがあると注意しています。令和7年4月から9月の累計は前年同期比17.4%減と低い水準だったため、今年の伸び率はその点も踏まえて見る必要があります。住宅投資予定額は推計値で、届出時点の予定額をもとにしています。次の10月分は11月30日に公表される予定です。
よくある質問
9月に住宅着工が減ったのはなぜですか。
資料では、持家・貸家・分譲住宅のいずれも減ったことが全体の減少につながったと説明されていますが、その背景にある経済的な理由は資料には記載がありません。なお資料は、住宅着工は世帯数や人口の移動、建築費、地価、所得、住宅ローンなどの動きにも大きく影響されるため、それらと合わせて見る必要があるとしています。
「季節調整済年率換算値」とは何ですか。
建築工事は季節によって着工が増えたり減ったりします。そうした季節による影響を取り除き、その月のペースが1年間続いた場合の戸数に換算した値です。年間の着工戸数と比べやすい指標とされています。9月は714千戸で、前月より5.2%減りました。
着工戸数は減ったのに、住宅投資予定額が増えたのはなぜですか。
住宅投資予定額は「1戸あたりの工事費予定額×着工戸数」で推計されています。資料の表では、たとえば持家の1戸あたり工事費予定額が前年同月の3,061万円から3,227万円に上がっており、戸数が減っても総額は前年同月比1.6%増の13,062億円となりました。1戸あたりの予定額が上がった理由は資料には記載がありません。
今年に入ってからの住宅着工は増えていますか、減っていますか。
令和8年1月から9月までの累計は556,052戸で、前年同期比1.6%増です。4月から9月の累計は379,029戸で、同11.3%増でした。一方、令和7年度(令和7年4月から令和8年3月)全体では711,171戸で、前年度比12.9%減でした。
次の結果はいつ公表されますか。
令和8年10月分は、2026年11月30日(月)に公表される予定です。過去に公表された結果が修正された場合、修正後の資料はe-Statの該当する月・年・年度のページに掲載されます。
このページの要約・解説・よくある質問は、公表資料(原文)をもとに作成したものです(作成日時: 2026/10/31 20:03)。内容の正確さには注意を払っていますが、制度の詳細や最新の情報は必ず原文で確認してください。
評価できる点
対象月の翌月末という早い時期に、利用関係別・地域別・使途別まで細かい数字が公表されており、住宅市場や民間の設備投資の動きを早くつかめる点は評価できます。「6か月ぶりの減少」「3か月連続の減少」のように増減がどれだけ続いているかも示されています。前年同月比と季節調整値の両方が載っているため、一時的な変動なのか流れが変わったのかを読み手が確かめやすくなっています。用語の定義や利用上の注意が添えられている点も親切です。