無線従事者制度の在り方検討作業班が初会合、資格23区分の整理や試験見直しを検討
原文のタイトル: 情報通信審議会 情報通信技術分科会 電波有効利用委員会 無線従事者制度の在り方検討作業班(第1回)
原文を開くAIによる要約
- 情報通信審議会の電波有効利用委員会の下に作業班が設けられ、2026年10月7日にWeb会議で初会合が開かれた。
- 無線従事者の資格は5分野23区分。取得者数は平成28年度の83,513人から令和7年度は68,646人に減った。
- 検討例として、総合・海上無線通信士の統廃合、ニーズの少ない資格の廃止、モールス電信などの試験の見直しが挙がった。
- 外国資格の承認や若い世代の資格取得の後押しなど、無線の人材を増やすための活用策も検討する。
- 制度改正の時期や、すでに資格を持つ人への影響については、資料には記載がありません。
重要な日付
- 2026年10月7日(水)無線従事者制度の在り方検討作業班 第1回会合(Web会議)
解説
背景
無線局を運用するには、原則として総務大臣の免許を受けた「無線従事者」が操作する必要があります。この資格は昭和25年の電波法制定時に作られ、平成元年の改正で現在の分野別(総合、海上、航空、陸上、アマチュア)に再編されました。今の制度は平成2年に改正されたものが土台です。事務局の資料によると、その後、通信方式がアナログからデジタルに変わり、通信システムの自動化・集中化が進みました。保守も現場での修理からメーカーによる保守へ移り、無線従事者を取り巻く環境は大きく変わりました。モールス通信など一部の知識・技能は必要性が下がり、資格の取得者数も減少傾向です。一方で、AIなどの活用が進み電波の利用は広がると見込まれており、無線の知識・技能を持つ「ワイヤレス人材」の不足が心配されています。こうした状況を受けて作業班が設けられました。
何が決まった・変わるのか
第1回会合では、作業班の設置、運営方針(案)、制度の現状が示されました。事務局が示した主な検討事項(案)は次の6つです。(1)AI・デジタル社会で無線従事者が果たすべき役割。(2)資格の区分と操作できる範囲の整理(総合無線通信士と海上無線通信士の統廃合や、ニーズの少ない資格の廃止の検討を含む)。(3)国家試験の科目・内容の見直し(電気通信術のモールス電信・NBDP、地理、英語など)。(4)養成課程(国が認定した講習)の在り方。(5)無線従事者の活用(外国資格の承認、若い世代や他の業界の人の資格取得の後押しなど)。(6)法令の書き方や行政事務の合理化など。今後は構成員や関係団体から意見を聞いて論点を整理し、作業班として取りまとめたうえで電波有効利用委員会に報告します。このほか構成員からは、資格を「無線パスポート」から「特級無線技師」までの4段階に整理する案や、大学で科目を修めても卒業まで資格を申請できないという課題も示されました。これらは構成員の意見・提案であり、決定事項ではありません。
誰に関係するか
無線従事者の資格を持つ人や取得を目指す人、船舶・航空・放送・通信などで無線設備を扱う事業者、養成課程を運営する機関、資格につながる科目を開いている学校などに関係します。ただし今回は検討が始まった段階で、何がどう変わるかはまだ決まっていません。改正の時期や、すでに取得した資格の扱いは資料には記載がありません。なお今の制度では、資格は一度取得すれば生涯有効です。スマートフォンや無線LANなどは、今の制度でも資格なしで使えるものとして例に挙がっています。
運営者コメント
懸念される点・課題
資格の統廃合や試験科目の見直しは、海上の遭難・安全通信など国際的なルールに関わる分野にも及びます。分かりやすさや受けやすさを重視するあまり、安全に必要な知識・技能の水準が下がらないかは慎重な検討が必要です。また取りまとめの時期や進め方の日程は示されておらず、すでに資格を持つ人や養成機関がいつ、どのような影響を受けるのかは現時点では分かりません。
注目点・留意点
会合で示された4段階の資格体系などは構成員の提案であり、作業班や総務省の方針として決まったものではありません。取得者数の数字は新たに取得した人から失効・取消の人数を引いたもので、受験者数とは別の指標です。年度ごとの増減の理由も資料には書かれていません。今後のヒアリングでどの関係者からどんな意見が出るか、取りまとめの内容を確認していくことが大切です。
よくある質問
今持っている無線従事者の資格は使えなくなりますか。
今回の資料には、既存の資格の扱いについての記載はありません。検討は始まったばかりです。なお今の制度では、資格は一度取得すれば生涯有効とされています。
制度はいつ変わるのですか。
資料には記載がありません。作業班は検討結果を取りまとめて電波有効利用委員会に報告し、その後に必要な制度改正などを検討するとされていますが、時期は示されていません。
アマチュア無線の資格も見直しの対象ですか。
アマチュアは5つの分野の一つで、無線従事者制度全体が検討の対象です。日本アマチュア無線連盟の会長も構成員に入っています。ただし、アマチュア無線の資格を具体的にどう変えるかは資料には記載がありません。
「無線パスポート」などの新しい資格はできるのですか。
「無線パスポート」「無線運用士」「無線技師」「特級無線技師」の4段階案は、構成員の一人が会合で示した提案です。作業班として決まったものではありません。
作業班の会議は公開されますか。
運営方針(案)では、権利や利益を害するおそれがある場合や主任が必要と認めた場合を除き、会議は公開するとされています。傍聴の具体的な方法は資料には記載がありません。
このページの要約・解説・よくある質問は、公表資料(原文)をもとに作成したものです(作成日時: 2026/10/08 20:07)。内容の正確さには注意を払っていますが、制度の詳細や最新の情報は必ず原文で確認してください。
評価できる点
平成2年の改正を土台にした制度を、技術の変化や人材不足をふまえて全体から見直そうとしている点は評価できます。構成員には大学の研究者だけでなく、海運、漁業、航空、放送、通信、アマチュア無線、水産高校など幅広い分野の関係者が入り、国土交通省もオブザーバーとして参加しています。資格の種類ごとの取得者数の推移も公表されており、議論の材料が見えやすくなっています。