環境影響評価法施行令改正を閣議決定、発電所建替えとダム改築の要件新設、2027年4月施行
原文のタイトル: 環境影響評価法施行令の一部を改正する政令の閣議決定等について
原文を開くAIによる要約
- 改正環境影響評価法を受け、施行令の改正と施行期日を定める政令が2026年10月9日に閣議決定された
- 火力・地熱・風力発電所の建て替えでは、既存施設の区域の境界から300メートルまでを近接区域とした
- 新設する出力の既存出力に対する比は、火力2.0、地熱1.3、風力1.1の範囲内と定めた
- ダムの改築の事業について、第一種事業・第二種事業となる貯水面積の要件を新たに定めた
- 改正法と今回の施行令改正は、いずれも2027年4月1日に施行される
重要な日付
- 2026年8月25日(火)政令案への意見募集(パブリックコメント)開始
- 2026年9月23日(水)意見募集の締切
- 2026年10月9日(金)政令の閣議決定・意見募集結果の公表
- 2027年4月1日(木)改正環境影響評価法と改正施行令の施行日
解説
背景
環境影響評価(環境アセスメント)は、大きな事業を行う前に、その事業が環境に与える影響を調べて評価する仕組みです。2025年(令和7年)6月、第217回国会で環境影響評価法の一部を改正する法律(令和7年法律第73号)が成立しました。この改正法では、既存の施設を取り壊すか廃止したうえで、同じ区域かその近くに同じ種類の施設を新しく造る事業(建替事業)について、計画段階環境配慮書(計画の早い段階で環境への配慮をまとめる書類)の記載事項などが定められました。ただし、どこまでを「近く」とするかの距離や、どの程度の規模までを建替事業とするかの数値は、政令で定めることとされていました。これを受けて、2025年10月から「改正環境影響評価法の施行に関する技術検討会」で要件が議論されました。その議論を踏まえて、今回の政令が制定されました。担当は環境省大臣官房環境影響評価課です。
何が決まった・変わるのか
閣議決定されたのは2つの政令です。1つ目は環境影響評価法施行令の改正です。まず、建替事業の要件を新設しました。火力発電所、地熱発電所、風力発電所のいずれについても、既存施設が設置されている区域の境界から300メートルまでを「近接区域」とします。そのうえで、新設する発電所や発電設備の出力の、既存の出力に対する比が、火力は2.0、地熱は1.3、風力は1.1の範囲内であることを建替事業の条件としました。次に、ダムの改築の事業についての要件を定めました。改築後の貯水面積が100ヘクタール以上で、かつ50ヘクタール以上増える場合は第一種事業、改築後75ヘクタール以上で、かつ37.5ヘクタール以上増える場合(第一種事業に当たらないもの)は第二種事業となります。新旧対照条文を見ると、これまでの表ではダムは新築の事業だけが掲げられており、今回、改築の事業が加わりました。あわせて、ダムの改築を伴う水力発電所の扱いや、関連する表の項目番号も整理されます。2つ目の政令では、改正法の施行期日を2027年(令和9年)4月1日と定めました。施行令の改正も同じ日から施行されます。
誰に関係するか
直接関係するのは、火力・地熱・風力発電所の建て替えを計画している事業者と、ダムの改築を行う側です。ダムの改築を行う側には、国土交通大臣、都道府県知事、指定都市の長、独立行政法人水資源機構、水道・工業用水道・土地改良の事業を行う者などが含まれます。施設の周辺に住む人にとっては、地域の計画が今回の要件に当たるかどうかが、どんな手続を経るのかを知る手がかりになります。なお、建替事業に当たると手続がどう変わるのか、また2027年4月1日の施行前から進んでいる計画をどう扱うのかは、資料には記載がありません。
運営者コメント
懸念される点・課題
出力の比は火力2.0、地熱1.3、風力1.1と、発電の種類によって大きく異なります。しかし、なぜこの数値になったのか、3種類とも距離が300メートルで同じなのはなぜかの根拠は、今回の公表資料の本文には記載がありません。水力など他の発電所が建替事業の対象に含まれていない理由も示されていません。さらに、建替事業に当たると手続が具体的にどう変わるのかも資料からは読み取りにくく、一般の読者が影響を判断しにくい点は課題です。
注目点・留意点
パブリックコメントの結果は別添6にまとめられているとされていますが、今回参照した資料には意見の件数や内容は含まれていません。どのような意見が出て、どう扱われたかは別添6で確認する必要があります。施行は2027年4月1日です。それまでに具体的な運用がどう示されるのか、実際の建て替え計画やダム改築にどう当てはめられるのかが、今後の注目点です。
よくある質問
「建替事業」とは何ですか。
既存の施設を取り壊すか廃止したうえで、その施設がある区域か近接区域に、同じ種類の施設を新しく造る事業です。今回の政令では、火力・地熱・風力発電所について、近接区域を既存施設の区域の境界から300メートルまでとしました。あわせて、新しい出力の既存出力に対する比が、火力2.0、地熱1.3、風力1.1の範囲内であることを条件としています。
建替事業に当たると、環境アセスメントの手続はどう変わりますか。
改正法で、建替事業を行う者が作成する計画段階環境配慮書の記載事項が定められたとされています。ただ、具体的に何がどう変わるのか(手続の簡素化があるかどうかなど)は、資料には記載がありません。
水力発電所や他の種類の発電所の建て替えも対象になりますか。
今回の政令で建替事業の要件が定められたのは、火力・地熱・風力発電所の3種類です。それ以外の発電所に建替事業の要件を定める記載や、対象外とした理由は、資料には記載がありません。
いつから適用されますか。
改正環境影響評価法と今回の施行令改正は、どちらも2027年(令和9年)4月1日に施行されます。施行前から進んでいる計画をどう扱うかは、資料には記載がありません。
パブリックコメントではどんな意見が出ましたか。
意見募集は2026年8月25日から9月23日まで行われ、結果は別添6として公表されています。今回参照した資料には、意見の件数や内容は含まれていないため、詳しくは環境省の公表ページの別添6をご確認ください。
このページの要約・解説・よくある質問は、公表資料(原文)をもとに作成したものです(作成日時: 2026/10/11 20:03)。内容の正確さには注意を払っていますが、制度の詳細や最新の情報は必ず原文で確認してください。
評価できる点
どこまでを建替事業とするかを、距離300メートルと出力の比という具体的な数値で示したことで、事業者や地域の住民はどの計画が対象になるかを判断しやすくなります。ダムの改築についても、第一種事業・第二種事業の面積基準がはっきりしました。また、技術検討会での議論とパブリックコメントを経て決定されており、決まるまでの経緯が公表されている点も評価できます。