ジノテフランの農薬使用者暴露許容量を新設、使用方法どおりなら下回る 11/24まで意見募集
原文のタイトル: 令和四年農林水産省告示第千六百五十号(農薬取締法第四条第一項第五号に掲げる場合に該当するかどうかの基準を定める件第一号の規定に基づき、同号の農林水産大臣が定める基準を定める件)の一部を改正する件(ジノテフラン)(案)についての意見・情報の募集について
原文を開くAIによる要約
- 殺虫剤の成分ジノテフランについて、農薬を使う人がさらされてもよい量の上限(許容量)を新たに定める告示改正案です。
- 農薬使用者暴露許容量は0.22mg/kg体重/日、急性農薬使用者暴露許容量は1.3mg/kg体重とする案です。
- 評価書案では、登録された使用方法どおりに使えば、推計した暴露量はどちらの許容量も下回るとされています。
- 意見募集は2026年10月26日から11月24日23時59分まで。郵送の場合も締切日までに届く必要があります。
- 改正は公布の日から適用されます。公布日がいつになるかは資料には記載がありません。
重要な日付
- 2022年12月14日(水)農業資材審議会への諮問(再評価)
- 2026年7月29日(水)内閣府食品安全委員会による食品健康影響評価
- 2026年9月17日(木)第27回農業資材審議会農薬分科会農薬使用者安全評価部会で審議
- 2026年10月26日(月)意見募集の開始
- 2026年11月24日(火)意見募集の締切(23時59分。郵送は必着)
解説
背景
農薬取締法では、被害を防ぐ方法をとっても人や家畜に被害が出るおそれがある農薬について、農林水産大臣は登録を拒否しなければならないと定めています(第4条第1項第5号)。その判断基準の一つが、令和元年農林水産省告示第480号第1号です。農薬を使う人(農薬使用者)がさらされる量が、毒性試験の結果をもとに大臣が定める基準に合うかどうかを見ます。この基準は令和4年農林水産省告示第1650号で、有効成分ごとに「農薬使用者暴露許容量」と「急性農薬使用者暴露許容量」として定められています。ジノテフランは2022年12月14日に再評価(登録済みの農薬の安全性を最新の知見で見直すこと)のため農業資材審議会に諮問されました。2026年9月17日の第27回農薬使用者安全評価部会で審議され、その結果を受けて今回の改正案が示されました。
何が決まった・変わるのか
告示第1650号の別表に、ジノテフランの欄を新しく設けます。案では、農薬使用者暴露許容量(AOEL。長期間繰り返しさらされても健康への影響が出ないとされる1日あたりの量)を0.22mg/kg体重/日、急性農薬使用者暴露許容量(AAOEL。1回にさらされても影響が出ないとされる量)を1.3mg/kg体重としています。AOELの根拠は、イヌに1年間与えた試験で影響が出なかった量(無毒性量)22mg/kg体重/日です。これを安全係数100で割っています。AAOELの根拠は、ウサギの発生毒性試験の無毒性量125mg/kg体重/日で、これも安全係数100で割っています。評価書案は、ジノテフランを含む農薬80製剤を登録どおりの使用方法で使った場合の暴露量を予測式で推計し、AOELとAAOELのいずれも下回るとしています。疫学研究の一部ではジノテフランへの暴露と病気などとの間に統計的な関連が報告されていました。ただし評価書案は、暴露量の情報が限られていることなどから、明確な関連を示す科学的知見は不十分と判断しています。
誰に関係するか
関係するのは、ジノテフランを含む農薬(評価書案ではスタークル、アルバリンなどの製剤名が挙がっています)を使う農業者と、その製造・販売事業者です。今回の基準は農薬を扱う人の安全についてのもので、食品に残った農薬の基準とは別のものです。意見を出す場合は、e-Govの意見入力フォームか郵送を使います。意見は日本語に限られます。氏名、住所、連絡先を書く必要があり、電話では受け付けません。出された意見は、個人情報を除いて公開される可能性があります。個別の回答はありません。
運営者コメント
懸念される点・課題
評価書案によると、ジノテフランを含む製剤を畑などで実際に使ったときの使用者暴露試験の結果は提出されていません。暴露量は予測式で推計されています。また一部の製剤では、皮膚からの吸収率に剤型ごとのデフォルト値(既定の値)が使われています。疫学研究の一部では統計的な関連が報告されましたが、現時点では知見不十分と判断されています。今後の研究によっては改めて検討が必要になる可能性もあります。
注目点・留意点
今回の数値は農薬を使う人向けの基準です。食品を通じた摂取については、食品安全委員会が許容一日摂取量0.22mg/kg体重/日と急性参照用量1.2mg/kg体重を設定しています。急性の値は同じ無毒性量を根拠にしていますが、1.2と1.3で異なっています。その理由は資料には記載がありません。暴露量の具体的な推計値(別添2)や、既存製品の表示や使用方法が変わるかどうかも、今回確認できた範囲には記載がありません。
よくある質問
ジノテフランを含む農薬は今後使えなくなるのですか。
評価書案では、登録された使用方法どおりに使った場合の暴露量は、新しく定める2つの許容量をどちらも下回ると評価されています。登録の扱いや使用方法が変わるかどうかは、資料には記載がありません。
食べ物に残ったジノテフランの安全性とは関係がありますか。
今回の許容量は、農薬を散布するなど実際に扱う人がさらされる量の基準です。食品を通じた摂取については、内閣府食品安全委員会が2026年7月29日に評価しています。そこでは許容一日摂取量0.22mg/kg体重/日、急性参照用量1.2mg/kg体重が設定されています。
健康への影響を示す研究はなかったのですか。
評価書案では疫学研究9報を検討しています。一部の研究ではジノテフランへの暴露と病気などとの間に統計的な関連が見られました。ただし、暴露量の情報が限られていることや、同じテーマの研究が複数なく結果の一致を確かめられないことから、明確な関連を示す科学的知見は不十分と判断されています。
意見はどうやって出せばよいですか。
e-Govの意見入力フォームか、郵送(〒100-8950 東京都千代田区霞が関1-2-1 農林水産省消費・安全局農産安全管理課農薬対策室)で出せます。締切は2026年11月24日23時59分で、郵送も締切日必着です。日本語に限られ、氏名、住所、連絡先の記入が必要です。電話では受け付けていません。
改正はいつから適用されますか。
告示案では「公布の日から適用する」とされています。提出された意見を考慮したうえで決定するとされており、具体的な公布日は資料には記載がありません。
このページの要約・解説・よくある質問は、公表資料(原文)をもとに作成したものです(作成日時: 2026/10/26 20:06)。内容の正確さには注意を払っていますが、制度の詳細や最新の情報は必ず原文で確認してください。
評価できる点
登録済みの農薬を見直す再評価の中で、食品の安全とは別に、農薬を実際に扱う人の安全についての数値基準を成分ごとにはっきり示す取り組みです。評価書案には、根拠にした試験、安全係数、皮膚からの吸収率の考え方、検討した公表文献や疫学研究まで書かれています。結論だけでなく判断の過程を外から確かめられる点は評価できます。