食品、添加物等の規格基準改正案 米や茶など農薬5品目の残留基準変更、意見11月19日まで
原文のタイトル: 「食品、添加物等の規格基準の一部を改正する告示(案)」(農薬(クロラントラニリプロール等5品目)の残留基準の改正)に関する御意見の募集について
原文を開くAIによる要約
- 農薬5品目について、食品ごとに残留してよい量の上限(残留基準値)を改正する案。意見は11月19日まで募集
- 玄米はクロラントラニリプロールを0.1ppmへ引き上げ、チオベンカルブを0.03ppmへ引き下げる案
- 茶はクロラントラニリプロールを50から80ppmへ引き上げ、フェナザキンを10から9ppmへ引き下げ
- 施行は告示日(令和9年2月上旬予定)。基準値を引き下げる品目は告示から1年を経過した日から施行
- 食品安全委員会の評価を踏まえた案で、審議会の部会が令和8年7月14日に了承済み
重要な日付
- 2026年7月14日(火)食品衛生基準審議会農薬・動物用医薬品部会で審議・了承
- 2026年10月21日(水)改正案の公示・意見募集開始
- 2026年11月19日(木)意見募集の締切(e-Govは23時59分まで、郵送も必着)
解説
背景
食品衛生法第13条では、内閣総理大臣が食品衛生基準審議会の意見を聴いて食品の規格基準を定めます。基準に合わない食品は製造や販売などができません。農薬については、食品ごとの残留基準が決まっていない場合、人の健康を損なうおそれのない量として一律0.01ppm(ppmは100万分の1を表す単位)を超えて残る食品は扱えない仕組みです。今回の改正案は、国際基準や国内外での使用状況を考慮し、内閣府食品安全委員会の評価を踏まえてまとめられました。部会資料によると、クロラントラニリプロールは、農林水産省から使い道を広げる申請に伴う基準値設定の依頼があったことなどが理由です。1,3-ジクロロプロペン、チアジニル、チオベンカルブは、農薬取締法に基づく再評価に関する連絡が農林水産省からあったためとされています。フェナザキンの個別の経緯は資料には記載がありません。
何が決まった・変わるのか
農薬5品目について、食品ごとの残留基準値を改正する案が示されました。クロラントラニリプロール(殺虫剤)は、玄米を0.05ppmから0.1ppm、茶を50ppmから80ppm、レタスを20ppmから30ppm、おうとう(チェリー)を1ppmから3ppmに引き上げます。一方で、とうもろこしを0.6ppmから0.05ppm、ぶどうを2ppmから1ppm、トマトを0.7ppmから0.6ppmに引き下げます。すいか、メロン類、みかん、ももなどは「果皮を含む」形の区分に設定し直します。チオベンカルブ(除草剤)は、玄米を0.2ppmから0.03ppm、小麦などを0.05ppmから0.01ppmに引き下げ、牛や豚の肉、鶏の肝臓などの畜産物は引き上げます。チアジニル(殺菌剤)は、牛の腎臓などの畜産物と乳を引き上げます。フェナザキン(殺虫剤、殺菌剤)は、トマトやりんご、畜産物などに新たに基準値を設け、かんきつ類を0.4ppmから1ppmに引き上げ、茶を10ppmから9ppmに引き下げます。1,3-ジクロロプロペンは、はちみつに0.05ppmを新設します。施行は告示日ですが、引き下げる品目は告示の日から1年を経過した日からとなります。
誰に関係するか
直接関係するのは、農薬を使う農家、農薬メーカー、輸入食品を含めて食品を生産・流通・販売する事業者です。基準値が引き下げられる品目(玄米やとうもろこしのクロラントラニリプロール、玄米や小麦のチオベンカルブなど)は施行までに1年の猶予がありますが、出荷する作物が新しい基準に合うかの確認が必要になります。表に基準値が無い食品には一律基準0.01ppmが適用されます。消費者にとっては米や茶、果物、肉、乳など身近な食品が対象です。資料では、改正案は人の健康を損なうおそれのないよう定めるものとされています。
運営者コメント
懸念される点・課題
別紙の表は対象の食品が多く、ppm単位の数値や「果皮を含む」といった区分の変更が並ぶため、一般の人がどの食品がどう変わるのかを読み取るのは容易ではありません。概要では改正の理由が5品目まとめて書かれており、食品ごとに引き上げや引き下げとなる理由は分かりにくい構成です。意見募集期間は約1か月で、専門的な資料を読み込んで意見をまとめるには短いと感じる人もいるかもしれません。
注目点・留意点
基準値の引き上げは、そのまま食品の危険性が高まることを意味するものではありません。資料では、人の健康を損なうおそれのないよう定めるものとされています。告示日は「令和9年2月上旬(予定)」で確定しておらず、最終的な内容は意見募集を経て決まります。今回の資料のうち摂取量の試算が確認できたのはクロラントラニリプロールだけです。ほかの4品目の評価の詳細は、食品安全委員会の評価書などの一次資料で確かめることをおすすめします。
よくある質問
基準値が引き上げられると、食品の安全性は下がるのですか?
資料では、今回の改正案は農薬によって人の健康を損なうおそれのないよう規格基準を定めるもので、食品安全委員会の評価を踏まえているとされています。クロラントラニリプロールについては、1日に摂取すると推定される量が許容一日摂取量(人が毎日摂取しても健康に影響がないとされる量)に対して、国民全体で1.5%、幼小児(1〜6歳)で2.6%、妊婦で1.4%、高齢者で1.7%と試算されています。ほかの4品目の試算結果は、今回確認できた資料の範囲には記載がありません。
新しい基準はいつから適用されますか?
告示日は令和9年2月上旬の予定で、施行はその告示日です。ただし、基準値を引き下げる品目などは、告示の日から1年を経過した日から施行されます。具体的な日付は資料には記載がありません。
身近な食品ではどのように変わりますか?
例えば玄米では、クロラントラニリプロールが0.05ppmから0.1ppmへ引き上げ、チオベンカルブが0.2ppmから0.03ppmへ引き下げとなります。茶では、クロラントラニリプロールが50ppmから80ppmへ引き上げ、フェナザキンが10ppmから9ppmへ引き下げとなります。はちみつには、1,3-ジクロロプロペン、チオベンカルブ、フェナザキンの基準値が新たに設けられます。
表に載っていない食品はどうなりますか?
資料では、残留基準値の欄が空欄の食品や表に無い食品には、一律基準(0.01ppm)が適用されるとされています。
意見はどのように出せますか?
e-Govの意見提出フォームか郵送(消費者庁食品衛生基準審査課残留農薬等基準審査室あて)で、2026年11月19日までに提出します(e-Govは23時59分まで、郵送も必着)。電話では受け付けていません。意見は日本語に限られ、理由も書くよう求められています。6000字を超える場合は要旨を添付します。個別の回答はなく、氏名や連絡先を除いて意見が公表されることがあります。
このページの要約・解説・よくある質問は、公表資料(原文)をもとに作成したものです(作成日時: 2026/10/21 20:03)。内容の正確さには注意を払っていますが、制度の詳細や最新の情報は必ず原文で確認してください。
評価できる点
食品安全委員会による評価と審議会部会の審議を経たうえで、案の段階で広く意見を募っている点は、決定過程の透明性につながります。基準値を引き下げる品目は告示から1年後の施行とされており、生産者や流通事業者が対応する期間が確保されています。また、部会資料では国民全体だけでなく、幼小児、妊婦、高齢者といった区分ごとの摂取量の試算も示されており、判断材料が公開されています。