社会保障審議会介護保険部会、2026年度中に結論の2割負担基準と65歳以上保険料を議論
原文のタイトル: 第136回社会保障審議会介護保険部会の資料について
原文を開くAIによる要約
- 65歳以上の介護保険料(第1号保険料)について、次の第10期に向けた段階設定の見直しが論点として示された
- 高所得者の保険料倍率の見直しや、住民税が課税になったときの急な値上がりの緩和が検討例に挙がった
- 介護サービスの利用料が2割になる「一定以上所得」の基準は、2026年度中に結論を得るとされている
- 基準引き下げ案として年金収入等260万〜230万円(単身)の選択肢や、負担増の上限などの配慮策が資料に載っている
- 株の配当などの金融所得や預貯金を負担に反映する仕組みも、引き続き論点とされた
重要な日付
- 2025年12月25日(木)社会保障審議会介護保険部会が「介護保険制度の見直しに関する意見」を取りまとめ
- 2026年7月21日(火)「経済財政運営と改革の基本方針2026」閣議決定(2割負担の判断基準について2026年度中に結論を得るとした)
- 2026年9月18日(金)第136回社会保障審議会介護保険部会の開催(本資料の提出日)
- 2027年4月1日(木)第10期介護保険事業計画期間の開始(資料上は「令和9年度〜」との記載。2割負担の基準はこれより前に結論を得るとされる)
解説
背景
介護保険は、介護が必要になった人が自立した日常生活を送れるよう、必要なサービスの費用を給付する制度です。厚生労働省老健局の資料によると、制度開始から25年でサービス利用者は開始時の3.5倍を超え、介護費用の総額も約4.0倍の14.3兆円(令和7年度予算ベース)に増えました。65歳以上の人が払う保険料(第1号保険料)の全国平均は、第1期の月2,911円から第9期(令和6〜8年度)は月6,225円に上がっています。こうした中、社会保障審議会介護保険部会は2025年12月25日に「介護保険制度の見直しに関する意見」をまとめましたが、保険料の段階設定や、利用料が2割になる人の基準などは結論が持ち越されました。さらに、2026年7月21日に閣議決定された「骨太の方針2026」では、2割負担の判断基準の見直しについて2026年度中に結論を得るとされました。今回の資料は、これらを受けて議論を続けるために示されたものです。
何が決まった・変わるのか
今回の資料は結論ではなく、議論のための論点を示したものです。 【65歳以上の保険料(資料1)】保険料は住民税の課税状況などに応じた所得段階別で、国の標準は13段階です。国会などで、年金額の引き上げにより住民税非課税から課税の段階に移ると保険料の上がり幅が大きいと指摘されていることを踏まえ、第10期に向けて、高所得者の標準乗率(基準額に掛ける倍率)の見直しや、課税化に伴う上昇の緩和を含む標準段階の見直しを検討することについて意見を求めています。階段状の仕組みそのものの見直しは、市町村の事務やシステムへの負担などの課題があり、中長期の検討が必要とされています。 【利用料の2割負担の基準(資料2)】現行は、単身で年金収入とその他の合計所得金額が280万円以上(夫婦346万円以上)などの人が対象です。昨年の部会では、基準を260万〜230万円(夫婦326万〜296万円)に下げる選択肢と、負担増を月7,000円までに抑える案、預貯金等が一定額以下なら申請で1割に戻す案が議論されました。資料は、この基準や金融所得・金融資産の反映の在り方についてどう考えるかを問うています。
誰に関係するか
65歳以上で介護保険料を納めている人、介護サービスを利用している人とその家族、40〜64歳で介護保険料を払う現役世代、保険料を決める市町村に関係します。特に、年金収入などが2割負担の基準に近い人は、今後の結論次第で利用料の負担割合が変わる可能性があります。ただし、この資料の段階では新しい基準額も、実際に適用が始まる日も決まっていません。現在の自分の負担割合は、市町村が発行する負担割合証で確認できます。
運営者コメント
懸念される点・課題
2割負担の対象を広げれば、これまでより収入が低い人に負担を求めることになります。部会でも、利用控えが重度化を招くのではないか、医療と介護の両方で負担が増えるのは影響が大きいといった慎重な意見が出ています。預貯金による配慮策には、網羅的な把握が難しく不公平感が残る、市町村の事務負担が重いとの指摘もあり、公平さと実務をどう両立させるかが課題です。
注目点・留意点
資料は論点を示しただけで、基準額や配慮策の中身は決まっていません。骨太の方針2026では2割負担の基準について2026年度中に結論を得るとされており、今後の部会での議論の行方が注目されます。現役世代の保険料負担の抑制と、高齢者が必要なサービスを受けられることのバランスは立場によって見方が分かれるため、選択肢ごとの対象人数や財政効果も併せて見ることが大切です。
よくある質問
65歳以上の介護保険料は上がるのですか?
今回の資料は、保険料の段階設定の見直しを検討することについて意見を求めたもので、保険料額がどう変わるかは資料には記載がありません。検討の例として、高所得者の標準乗率(基準額に掛ける倍率)の見直しや、住民税が課税になったときの上昇の緩和が挙げられています。
介護サービスの利用料が2割になるのはどんな人ですか?
現行では、合計所得金額が160万円以上で、かつ年金収入とその他の合計所得金額が単身280万円以上(夫婦346万円以上)の人です。令和7年3月時点で利用者の約4.3%(234,062人)が該当します。見直し後の基準は決まっておらず、昨年の部会では260万〜230万円(夫婦326万〜296万円)の選択肢が議論されました。
2割負担の基準はいつから変わるのですか?
骨太の方針2026では2026年度中に結論を得るとされ、部会の意見書では第10期介護保険事業計画期間(令和9年度〜)の開始前までに結論を得るとされています。実際に新しい基準の適用が始まる日は資料には記載がありません。
預貯金が少ない人や負担が急に増える人への配慮はありますか?
昨年の部会では、新たに2割負担となる人の負担増を当分の間は月7,000円までに抑える案と、預貯金等が一定額以下(単身700万円・夫婦1,700万円以下など3パターンを提示)なら申請により1割に戻す案が議論されました。どの案を採用するかは、資料の時点では決まっていません。
今回の会議ではどんな意見が出たのですか?
当日の議論の内容は資料には記載がありません。資料にあるのは、昨年(令和7年)の部会で出た賛否両方の意見の要約と、今回の論点です。
このページの要約・解説・よくある質問は、公表資料(原文)をもとに作成したものです(作成日時: 2026/09/25 09:14)。内容の正確さには注意を払っていますが、制度の詳細や最新の情報は必ず原文で確認してください。
評価できる点
年金額の引き上げで住民税が課税になった途端に保険料が大きく上がるという、制度の段差の問題を論点として正面から挙げた点は評価できます。また、2割負担の基準見直しについても、負担増の上限や預貯金による配慮策ごとに、財政への影響や対象人数の試算が示されています。選択肢を比べる材料が公開されていることは、議論の透明性につながります。